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ミステリーについての一考察

 島田荘司の「本格ミステリー宣言」を読みました。彼は、本格ミステリーに関し次のように書いています。
「本格」とは、作品の優劣の基準として発明された日本語ではない。同時にまた、作品の社会的価値の大小を計る物差しでもない。単に作風を説明し、他の小説群と区別分類するための方便として、登場した呼称である。つまり、「ある傾向の推理小説」「ある条件を満たした推理小説」を、こう呼ぼうというものである。

 この本は、みなさんも読んでいただきたいと思います。なぜかというと、私の文章では明確に伝えることができないと思うからです。(^^;

 ここでは、この本で島田荘司の書いている、次のことを引用してお終いとします。

 長編は四つに分けて、書き分けています。

1.ガチガチの本格推理小説です。「占星術殺人事件」や「斜め屋敷の犯罪」などがこの系列になります。必ずトリックがあり、これによって導かれる「謎」があり、謎を解く鍵は、フェアプレーの精神にのっとって、読者に前もって提供されている。そして読者を謎解きのゲームに招待するといった傾向の作品ですね。

2.トラベルもの中心の、社会派ミステリーです。ミステリー小説界では、現在主流になっていますね。僕のものでいえば、「寝台特急<はやぶさ>1/60秒の壁」などです。

3.ユーモアもの。赤川次郎さんの小説に近いものですね。でも僕は本格を志向する者なので、全体にユーモアでつつんでも、ちゃんと推理できる作品群ではありたいです。「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」がそうです。

4.女性を主人公にしたサスペンスもの。女性の身辺に起きた日常的な出来事から、主人公が次第に恐怖に巻き込まれていくという傾向のもの。

以上、四つのレールを敷いて推理小説を考え、今後仕事を進めていきます。

そうなんです。島田荘司は、エドガー・アラン・ポーから受け継がれてきた本格ミステリーへのこだわり、としてこの本を書いただけであって、本格ミステリー以外のミステリーを否定しているわけではないのです。近頃、本格ものが少ないので、次代の作家に期待している。そういう趣旨の本なのです。

これは重要なことです!

次は、「本格ミステリー宣言2」を読みます...。

[参考図書]
「本格ミステリー宣言」(島田荘司)

1998.12.25記