青森県のDr.小田正博さんのHPから引用させていただきました。
http://www.hi-net.ne.jp/~ma/痛みの生理
痛みは日常いつも経験します。ドアに額を打ったときやナイフで手をきったときには痛いですね。
虫歯の痛みはがまんができません。
そして、お腹に虫垂炎のような炎症があると右の下腹部が痛んできます。どうしてこのような痛みがでてくるのでしょうか?
1,痛みとはなんですか?
人の体には神経がはりめぐらされております。
そのはじっこになにかの刺激が加わるとそれがすぐに大脳皮質に連絡するようなシステムになっております。
それがある程度の強さの刺激なら大脳皮質では痛みとして感じるのです。この痛みには慣れというのがありませんので、その刺激がなくならないうちは痛みもとれないのです。
そして、このはじっこから大脳皮質までの連絡路がなにかの原因によって切られたばあいには、はじっこがどんなひどい状態になっていてもちっとも痛みは感じないわけです。
また、意識のないときも痛みは感じないものです。
いま述べたように、人の体には体中に末梢神経の末端(はじっこ)が張り巡らされております。
そして、その末端部には痛みの受容器がついております。
この受容器に痛みの刺激が加わると受容器の透過性が変化して脱分極して興奮を引き起こします。
この興奮が活動電位として求心性神経線維を伝わって(伝導)、中枢神経に伝わります。
中枢神経に伝わった興奮は脊髄・脳幹部を経由して、視床を通って大脳皮質に到ります。
ここ大脳皮質で”痛み”として感じるわけです。
2,痛みの種類は?
大きく三つに分けられます。
A) 末梢性
B) 中枢性
C) 心因性
3,末梢性の痛みは?
末梢性疼痛ーーー→体性痛ーーーー→表在痛
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I
l
l
lー→内臓痛
lーー→深部痛
4,表在痛とは?
皮膚の痛みです。
針を刺したときの痛みのように鋭い痛みとして感じられます。
受容器は神経自由終末です。
表在痛には鋭い痛みと鈍い痛みの2種類があります。
痛みを起こす刺激には機械的・熱的・化学的・電気的刺激があります。
5,深部痛とは
筋肉・筋膜・骨膜・靱帯・腱・関節や結合組織に発生した痛みです。
受容器は神経自由終末になっております。
感覚は持続性・広範囲の鈍痛です。
肩こりや筋痙縮性頭痛を引き起こします。
痛みを発する物質はヒスタミン・アセチルコリン・キニンなどがあります。
6,内臓痛とは?
内臓・腹膜・胸膜に生じた痛みです。
内臓の受容器からの興奮(情報)が大脳皮質に伝わって内臓痛を感じるようになります。受容器は自由神経終末です。
胃・十二指腸潰瘍や虫垂炎または腹膜炎などで痛みを感じます。
内臓受容器には次のようなものがあります。
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