加納通子のこと

「涙流れるままに」感想

 
To: "ミステリーML" <mystery@ml.asahi-net.or.jp>
Sent: Monday, July 10, 2000 11:16 AM
Subject: [mystery 8498] 通子さんについての感想文

ママピです、読了感想です。
あえて、通子さんに対する感想文としました(^^)

 順序としては、「北の夕鶴2/3殺人事件」「飛鳥のガラスの靴」「羽衣伝説の記憶」「龍臥亭事件」「涙流れるままに」を読了しました。

 読み始めのきっかけは、女性に好かれない通子さんて、どんな人だろう?でしたね・・・過去メール繙くと。

 7/7の読了報告メールの時に書きましたが、結果的には「通子さんは嫌いじゃない」です。はっきり「好きです」と書かないところが、少々ずるいところですが。どちらかと言えば、「静かに見守ってあげたい人」と言った方がいいかもしれません。

ネタバレかな?

 数多くの不幸が通子さんの廻りにありますね。
 自分の傲慢さから引き起こした事件についての呵責から逃れられず、むしろがんじがらめになってしまった不幸。
 また、友人もなく、実の母親、育ての母親を相次いで不幸な形で失ってしまった事件から、相談する相手もなく、甘える相手もなく、どれが間違いでどれが正しいのか?を判断する能力も付かないうちに、全ては自分の判断だけで行動しなくてはいけない不幸。
 それがトラウマとなって、支離滅裂とも思われる行動に出る。
 もし、友人が転校せず、また母親のうちどちらかが生きていれば・・・身近に女性がいれば、こんな事にはならなかったのじゃないかな、と言う気持ちでいっぱいでした。

 それから通子さんの年代は、「女性の性」=「罪悪」と言うところがあった年代じゃなかったかと思います。知識を得ようにも現在のような、性教育もなく、メディアなどでも取り上げられるのは男性本位の悪趣味なものばかり。通子さんの「性の目覚め」は「罪悪感」そのものでしかなかったのでしょうね?

 ここでも、もし母親のうちどちらかが、あるいは身近に相談できる女性がついていれば、藤倉姉弟と再会しても、もう少し毅然とした態度をとれたのではないかと思われました。

 その点から考えても、吉敷は男性であり、夫であるから、相談なんて出来るはず無いですよね。吉敷くんの通子さんに対する気持ちはわかりますが・・・

 それから唯一の救いは「ゆきちゃん」。
ゆきちゃんの存在は、ホッとする場面でした。

 やはり私にはトリック物よりも、こういった心の動きがはっきりでる作品の方が合うように思いました。

 
以上です(^^)

2000年10月9日 12:25 件名 : [mystery:00544] 宿題(^^;

うなうな@再びです。
宿題の「加納通子というオンナ」ですが、読んで理解はできました。
うまくまとめられるかな?

これは島田荘司が「加納通子」を語っている部分なのですが、これを読むとまさしく「吉敷と通子のすれ違い」の理由がわかります。

島田氏の言いたいことは次の点。
「通子は日本人男性が理想として考える女性像とはかけ離れている」「しかし吉敷は女性に対して良妻賢母であるのが普通の女性、という固定観念を持っている」

これに尽きるかと思います。

要約するとこんな感じかなあ・・・

通子の外見の美しさと内面の危うさは、男性から見ると調和のとれたもので、思わず「守ってあげたくなる」部類に属するものである。

しかし、日本の男性はどんな女性も、「女性は家庭に入ったら良妻賢母であるのが普通である」という観念を無意識のうちに持っている。朝は早く起き、食事を作り、家庭を考え、夫を立て、自分は遊ぶことなどせず、夫が遅く帰ったときは起きて迎え、黙々と食事を作り、そしてまた朝は早く起きる。そういうものだと思っている。

しかし女性にも「心の自由」の権利はあり、今現在の日本で上記のような妻像をすべての女性に強いることはできないし、また女性側にとってもそれは気の毒なことである。

通子と吉敷のすれ違いは、決定的にこの部分が理由の一端を占めている。
通子は彫金の才能もあり、結婚当時はまだ若く、現代だったら遊びたい盛りの年頃であっただろうと思われる。しかし吉敷の方は結婚してから彼女に「良妻賢母」であることを希望し続けた。またそうであるはずだと信じて疑わなかった。

これは吉敷の母親がしっかりとした「良妻賢母」タイプの女性でなおかつ吉敷自身がわりと甘やかされて育ってきたからではないかと推測できる部分でもある。

しかし、例えば戦争の時、またその後などの貧しい日本では女性に「欲」があることなど許されず、夫が外で働いているのに自分は好きなことをするのは何事か!という、一種の「罪の意識」に似たような感覚を植え付けさせるのに好都合な時代であったし、またそうすることで貧しかった日本を「統合」するのも政府の役割でもあった。(ずいぶん愚劣な方法だと筆者は書いています)

そういう時代に育った「吉敷の母」が育てた「吉敷自身」は、おのずと通子にも「そうであって当たり前」という感覚を持つ。だから通子に、例えば性欲があるとか物欲があるとか、そういうことは「あり得ない」こととして考えていた。

しかし通子も一人間である以上、そういうものがあるのは当然で、また、彼女自身が「普通の感覚」ではないものを持っていたから吉敷もとまどい、通子を理解できないままでいるのだろう。

・・・ですかね。しょうさん、どお?(笑)

これを読んで通子がますます「普通の女性なのだ」ということを感じましたね〜。全く持って普通です。吉敷が悪いんです(笑)

・・・ということで、ちっとも上手にまとめられませんでしたm(_ _)m
恵理子さん、ごめんねえ〜(^^;

2000年10月11日 22:35 件名 : [mystery:00577] うなうなさ〜ん♪

こん※※は〜♪
恵理子@悪妻度69%です。

うなうなさ〜ん、ごめ〜ん!
メール溜めちゃってたので、お礼が遅くなっちゃいましたm(__)m

宿題の「加納通子というオンナ」読ませてもらいましたよ〜♪
ふむふむ・・・
まだ、通子が出てくるのを一冊も読んでいないので、今まで皆さんの意見を聞いて、「ちょっと好きになれない女だな?」とか思っていましたが、なんだか違うんですね・・・。

うなうなさんの要約では、島田先生の考えている通子の姿に、わたしは共感を覚えても、反感は感じられないんですが・・普通の、ありのままの自分に正直な女性じゃないんでしょうか?(現在ならば・・)

やっぱり、自分で作品を読んで、それから考えないといけないのかな?
と言う事で、わたしなりの「加納通子というオンナの感想」は、吉敷作品を読破してからの宿題ですね。
しかし、今のわたしは、宿題をうなうなさんに振ったバツか、苦手なお仕事が回ってきて、四苦八苦(・・;)。
哲学的で、宗教的(キリスト教?)な教育論の要約・・・(人を見て仕事をまわせよ)

おかげで、「蒲生邸事件」も「藍色街道殺人事件」も、「ホワイトアウト」も「IN☆POCKET」も、パソコンの横に積んだまま・・・あぁ、目の毒じゃぁ〜

ではでは〜♪
また、お仕事に戻りまする(T_T)