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宮部みゆき

宮部 みゆき 東野 圭吾 吉村 達也
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柴田よしき 海外ミステリー そのほか
スナーク狩り 蒲生邸事件 クロスファイア
長い長い殺人 火車 レベル7
鳩笛草    
スナーク狩り 光文社文庫 1997/06 4334724094
スナーク狩り

織口邦男が勤める釣具店に、関沼慶子は鉛版を買いに来た。不審に思った織口は、彼女が銃を持っていることを知り、ある計画を思い付く。そのためには今晩じゅうに銃を盗まなければならない。が、その晩、彼女は元恋人・国分慎介の結婚式に散弾銃を持って現われた。新郎新婦が雛壇に戻る瞬間を狙って…。スナークとは何か…!?人間の真実を抉る傑作サスペンス。

光文社文庫 (本のカバーから引用)

MYAU 1999年10月22日 22:42

宮部みゆき「スナーク狩り」「東京殺人暮色」を読みました。
宮部みゆきって、けっこう小学校高学年〜中学生の男の子の出てくる作品が多いような・・・。
(といっても、まだ彼女の作品の一部しか読んでいないけど)
「ステップ・ファーザー・ステップ」もだし、「長い長い殺人」にも出てきてたし、この「東京殺人・・・」にもだし。

でもって、みんなけっこうしっかりした、いい子たちなんですよね。
キャラクターに一つの方向性があるような気がします。

「スナーク狩り」は読んでいて、すごく辛い作品でした。

何が善で何が悪なのか、よくわかりませんが、本来なら、何も起こらなければ、普通に家庭生活や、日常生活を送り続け、平凡に、だけど新聞にも載らずに最期の時を迎える・・・。
そうできたはずの人が、その「普通」や「平凡」を壊されたがために、道をはずれていく・・・。そういうのが、何かやりきれません。

織口氏のやったことは正しいとは思えないけど、でも、彼が悪いとはいえない。

私が内田作品の好きな理由は、「殺人」に理由があるからなのかもしれません。
もちろん、殺人とはなにをおいても、悪であることにかわりはないのですが、殺人者にもきちんと(時には同情したくなるほど)理由があります。

だから、この作品の若者二人のような、ただの「おもしろさ」や完全な「自己都合」(自己都合じゃない殺人なんてないのかもしれないけど)だけで、なされる殺人がやりきれなかったんですね。

殺人というのは、その被害者の人はもちろんだけど、その被害者の周りの人の運命すらも、狂わせるんだ、ってことをつくづく考えてしまう作品でした。

何となく、ちょっぴり、ハッピーな作品が読みたくなってしまいました・・・。

(ちなみに今読んでいるのは、木谷恭介の「釧路ぬさまい橋殺人事件」です)

1999年12月6日 9:50 めぐみさん

最初からはらはらどきどきでした。
とにかく、銃を持って、誰かを殺そうとしている人たちにはそれなりの事情があって、どうしても、その道を選択しなきゃいけないほど傷つけられている。

逆に、銃で狙われていた人たちの過去の罪悪がめちゃくちゃ許せなかったですね。
手元に本がないので名前を思い出せないんですが、もともと銃を持っていたお姉さんもその人から銃を奪って金沢に走っていくおじさんも絶対に悪くないっ!!!!

そして、そのおじさんを心配して追っかけていく若い男女
男はおじさんの部下で、おじさんがどうして銃を奪ったか知っていて、女はお姉さんが殺そうとした人の妹で、銃に細工してあることを知らせに行く役。

死んだ二人なんか、死んで当然なぐらいの人間なのに・・・やっぱり悪いのは殺した人になるんでしょうか。
(私には自滅に見えたんですけど)
とにかく、登場人物で、殺されそうになった人たち以外の人がかわいそうで、悲しくて、「誰か止めてあげて!」って思いたくなる作品でした。

Tuesday, January 04, 2000 9:36 PM USUIさん

「スナーク狩り」では、最後の「被害者どうしで殺し合い、傷つけあったような気がします」という言葉が、ずっとずっと頭の中に残っています。
以前殺人を犯した男女が、心身症と見せかけてなんとか社会復帰をたくらむ。その男女の真実の姿を探ろうとする、織口。
結末からすると、ほんとうにやりきれないですね。でも、神谷父子と国分範子が、そのやりきれなさを救っています。