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幻惑の死と使途 講談社ノベルス 1997/10 4061819879
genwaku.gif (7013 バイト) 幻惑の死と使途

「諸君が、一度でも私の名を叫べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」―自信に満ちたせりふと共にあらゆる状況からの脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が、衆人環視の状況の中で殺害された。さらに、彼はなんと遺体となってまで、最後にして最大の奇跡を行う!?

犀川・西之園師弟が明かす驚愕の真実。

講談社ノベルス (本のカバーから引用)

2000年2月22日 件名 : [mystery 3646] 幻惑の死と使途

うなうな@森作品にドップリ、です。

「幻惑の死と使途」読みました。おもしろかった!
順番から言うと「封印再度」を読んでいないのですが、犀川先生と萌絵ちゃんの関係が、彼らなりの接近をしていてなんだか微笑ましく思いました。

トリックは(というか内容がマジックに関するものなので)ずいぶんと「ふたを開けてみたらなーんだ!」的な部分がとっても多かったのですけど、今回は動機の位置づけになんとなく納得できたような感じです。

内田作品などは「内面に迫る」という部分(動機)が結構重視されていますよね。それによって、浅見は犯人を追及しきれないという結論にたどり着くことが多いですよね。
「傷つく人がいる」という大前提を壊さない。

でも犀川先生は「僕には関係ありません」としてしまう。
一瞬冷たいような感じを受ける人もいるでしょうけど、でも「謎解き」の部分に重きをおく作品があってもいいかなと思わせてくれる作家です。<森氏

森作品はコンピュータの用語、理系の素材がたくさん出てきてなんだか新鮮です。
一目には理解できないかと思いがちな犀川&萌絵の関係も「とっても現代にありがちな」感じがして、それもスムーズです。うーん、私には合っているかもっ???

なんたって萌絵ちゃんの話し言葉や、出てくるお友達(女子学生)の台詞・メールの言葉口調なども、さすがに「現場を知っている作家」の強みかな。とってもリアリティがあります。

比較するつもりはないのですけど、例えば内田センセの作品でヒロインとして出てくる女性は、設定の年齢のわりに、とっても大人びた印象を受けるんです。
それも「話し言葉」の表現の違いだなって思います。
森氏は「よく観察している」と思いますね。

だって23・4歳の今時の女の子が「・・・ですわ」なんて言うの聞いたことないもん(笑)

突飛なキャラの萌絵ちゃん。ますますファンになりそうです♪
次は「夏のレプリカ」に入ります。というか入ってます(笑)

あああ〜、本屋に電話して「封印再度」注文しよう。決めた!

2000年2月22日  件名 : [mystery 3670] Re: 幻惑の死と使途

ヨシです。

 うなうなさんかきかき
> 「幻惑の死と使途」読みました。おもしろかった!
 は、早い。相当はまってますね(笑)。

> 順番から言うと「封印再度」を読んでいないのですが、犀川先生と萌絵ちゃんの関係が、彼らなりの接近をしていて なんだか微笑ましく思いました。

 「詩的私的ジャック」あたりから接近するようになりましたよね。
 
> トリックは(というか内容がマジックに関するものなので)ずいぶんと「ふたを開けてみたらなーんだ!」的な部分がとっても多かったのですけど、今回は動機の位置づけになんとなく納得できたような感じです。

 私はまだ読んでませんが、毎回いろんな動機の可能性にチャレンジしているようですね。
 
> 内田作品などは「内面に迫る」という部分(動機)が結構重視されていますよね。それによって、浅見は犯人を追及しきれないという結論にたどり着くことが多いですよね。 「傷つく人がいる」という大前提を壊さない。
>
> でも犀川先生は「僕には関係ありません」としてしまう。
> 一瞬冷たいような感じを受ける人もいるでしょうけど、
> でも「謎解き」の部分に重きをおく作品があってもいいかなと
> 思わせてくれる作家です。<森氏

 人間の心についてはあくまでも"謎のまま"というスタンスのように私は受け止めました。だから、どういう状況があってもいいじゃないか、なんていう問いかけがあるような気がします。
 
> 森作品はコンピュータの用語、理系の素材がたくさん出てきて
> なんだか新鮮です。
> 一目には理解できないかと思いがちな犀川&萌絵の関係も
> 「とっても現代にありがちな」感じがして、それもスムーズです。
> うーん、私には合っているかもっ???

 実は、私にも合ってるように感じて来ました、最近。はい、180度の方向転換ですね。怒られちゃいそうですけど。
 
> なんたって萌絵ちゃんの話し言葉や、出てくるお友達(女子学生)の
> 台詞・メールの言葉口調なども、さすがに「現場を知っている作家」の
> 強みかな。とってもリアリティがあります。
>
> 比較するつもりはないのですけど、例えば内田センセの作品で
> ヒロインとして出てくる女性は、設定の年齢のわりに、とっても
> 大人びた印象を受けるんです。
> それも「話し言葉」の表現の違いだなって思います。
> 森氏は「よく観察している」と思いますね。

 なる程。
 
> だって23・4歳の今時の女の子が「・・・ですわ」なんて
> 言うの聞いたことないもん(笑)

 だけどセンセが設定する女性も憧れますよね。
 
> 突飛なキャラの萌絵ちゃん。ますますファンになりそうです♪
> 次は「夏のレプリカ」に入ります。というか入ってます(笑)

 は、早い...ワシ、京極夏彦の「絡新婦の理」、なかなか進みそうにありません。再読なのに。800ページ強を読む間にうなうなさんは森作品を制覇されるでしょう。
 
> あああ〜、本屋に電話して「封印再度」注文しよう。決めた!

 即決ですね。

2000年3月6日 件名 : [mystery 4255] 森博詞「幻惑の死と使途」読みました

ヨシです。

  森博嗣「幻惑の死と使途」を読みました。いやー、京極作品に比べればはるかに読みやすい。

  この出張に、京極夏彦「百鬼夜行−陰−」と本作品と2冊だけしか持ってきませんでした。京極本は短編を3つくらい繰り返しただけですので、ちょっと、量が少なかったかなと後悔してます。森作品をもう一冊持ってくるべきでした。

  帰りの新幹線が手もちぶさたになってしまいます。素直に寝ればいいんですけど、目がさめた時に本でもないとね。

  で、早速心斎橋の本屋に行きました。で、買ったのが「眩暈」です、島田荘司氏の。何回も高村薫作品に手が出たのですが、決意出来ませんでした(笑)。まったく読む前に決意を必要とするのは京極夏彦と高村薫くらいだ(笑)。

  さて、「幻惑の死と使途」ですが、英題を「ILLUSION ACTS LIKE MAGIC」と言います。まさに「イルージョン」にふさわしい事件でした。この作品、事件としては森作品の中でも最高に素敵だと僕は思います。世俗的な動機を考えるのが作品を冒涜するようにさえ思われます。

  このような感想を抱くとは、だいぶ森作品にはまった証拠ですね。

  それからお決まりの犀川と萌絵の関係ですが、まだ自分の中で受け入れ難い要素はあるものの、こういうのもありかな、と好意的思いが大半を占めるようになってきました。

  変わってきたのは犀川に対する見方かな。この作品の中に、犀川の人格について何ヶ所か触れられているんですけど、彼は過去の体験から自分の破滅的人格をシールドする方を身に付け、たえず、幾人もの人格で自分を覆っているというのですねえ。

  そういえば「すべてがFになる」とか「封印再度」でそういった下りが出てきたような。どちらも大分前に読んだのでうろ覚えなんですけどね。

  そう考えるとむしろ犀川にひかれます。彼がハードボイルドの主人公のように思えてきます。大沢作品の鮫島と通じるような。ハートの中は同じだったりしてね。

  そういう彼には萌絵ちゃんは必要かも知れない。なんとなく分かるような気がしてきました。

  しかし、シリーズもので、作者がそこまで計算して書いているんでしょうかねえ。うまく繋がったというのが正解か、読者がペースに巻き込まれたのか。

  たとえば鈴木光司氏の「リング」シリーズは一気に読みますと、作者の精緻な構造のもと、ひとつの点から広げた波紋が全世界と過去まで巻き込むようなスケールを感じるのですが、実際は「リング」が出来た時点で「らせん」のことはまったく白紙だったわけですし、「らせん」の時点で「ループ」は白紙だったわけです。

  内田センセもそうですが、そうなると天啓というのを信じたくなってきますね。

  長くなってしまいました。最後までおつきあいいただき、ありがとうございましたm(_ _)m。