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星座物語(ギリシャ神話)    糸川英夫の細密占星術(糸川英夫著)

いて座 (11月23日〜12月21日生まれ) Sagittarius

 秋のはじめに、夜空を見上げてみましょう。南の地平線から、大空を横切る天の川をへだてて、「さそり座」の東側に輝く星座...これが、あなたの誕生星座「いて座」です。

 上半身が人間で下半身が馬という、この想像上の動物は、6個のきらめく星と、肉眼で見える150個もの星からできた星座です。手に持つ弓で引きしぼった矢は、「さそり座」の心臓アンタレス星をねらっています。

 遠い昔の人は、「いて座」を見上げては、自由に野山をかけめぐる半身半馬の姿や、その活躍ぶりを思い描いていたことでしょう。

 ギリシャ神話に伝わる「いて座」の物語です...。

 神々と人間のあいだに、力は神より劣っていても、人間よりは優れた能力をさずかった巨人や動物が住んでいました。

 上半身は人間で、下半身が動物の馬という姿のケンタウルス族も、そういった一族でした。かれらは、自由に大空や野原をとびまわり、弓矢を得意としていました。

 なかでも、巨人タイタン族の王クロノスを父とし、妖精ニンフのピリュラを母として生まれたケイロンは、とても賢い動物でした。アポロンから音楽を習い、アルテミスから医術やよく効く薬草の栽培を学んだケイロンは、たくさんの病人を救いました。

 このケンタウルス一族が、英雄ヘラクレスと戦ったことがあります。そのとき、運悪くヘラクレスの放った矢が、ケイロンに命中してしまいました。この矢じりには、猛毒をもつ怪獣ヒドラの血が塗ってあったのです。

 不死身のはずのケイロンでしたが、魔物の毒に苦しみ抜いた末、自分の不死身の力をタイタン族の英雄プロメテュスに譲って死んでしまいました。

 これを見ていた神々の王ゼウスは、ケイロンの死を哀れみ、空に輝く星座にしました。それが「いて座」だと伝えられています。