おひつじ座 おうし座 ふたご座 かに座 しし座 おとめ座 てんびん座 さそり座 いて座 やぎ座 みずがめ座 うお座
 

星座物語(ギリシャ神話)    糸川英夫の細密占星術(糸川英夫著)

てんびん座 (9月23日〜10月23日生まれ) Libra

 夏の終わりに、夜空を見上げてみましょう。

 南から西の空にかけて「おとめ座」と「さそり座」の間に、3個の三等星が、きらめいています。この星座は、ひらがなの「く」の字を裏返しにしたように並んでいます。これが、あなたの誕生星座「てんびん座」です。

 古代、昼と夜の長さが等しくなる秋分のころに、太陽がちょうどこの星座の位置にあったので、重さがつりあう「天秤」の名がついたと伝えられています。

 古代の人たちは、やがて訪れる収穫の秋に備え、豊かな実りを思い、心はずませながら、この星座を眺めていたことでしょう。

 ギリシャ神話に伝わる「てんびん座」の物語です...。

 神々の王ゼウスと、巨人タイタン族の女神テミスとの間に生まれた娘アストラニアは、正義を守る女神として知られています。

 アストラニアが生まれたころ、この地上は「金」の時代といわれ、川には牛乳が流れ、野にはたくさんの果物や、穀物があふれていました。

 ところが「銀」の時代がくると、地上に四つの季節ができました。暑さと寒さをしのぐために、人間は家を建てたり、衣服を縫ってまといました。また、春に穀物の種をまき、秋に収穫をしなくてはならなくなりました。やがて、人々の間に貧富の差ができ、人のものを盗んだり、争ったりしはじめました。

 そこで、正義を守る女神アストラニアは、「天秤」を使って穀物を正しく計り人々に平等に分配しました。こうして、争うことのないよう、公平な裁定をしたのです。

 しかし、「銅」の時代が訪れると、人は鉄で武器を作り、暴力で人殺しをし始めました。それまで地上にいた神々は、これを見て人間と暮らすことをあきらめ、天上に昇って行きました。最後まで「正義」を守らせようとした女神アストラニアも、ついに天上の世界に帰ったのでした。

 その女神の姿は「おとめ座」として星座に残され、女神が愛用した「天秤」も星座として天高く輝き、わたしたちに正義の尊さを教えています。