| 中秋のころ、夜空を見上げてみましょう。 南の空に3個の3等星と、10個くらいの4等星が、控えめに輝いています。この星の集まりが、あなたの誕生星座「みずがめ座」です。
水瓶を右手で持ち、逆さにして水を流している少年の姿が描かれています。流された水は、黄道12星座の次に当たる「うお座」の口のなかへ注がれています。
遠い昔の人たちも、魚の口に水を注ぐ少年の姿を、きらめく星座のスクリーンに思い描いていたことでしょう。
ギリシャ神話に伝わる「みずがめ座」の物語です...。
オリンポスの山でひらかれる神々の酒宴で、お酒をつぎまわる乙女は、いつもヘーベでした。ヘーベは、神々の王ゼウスとその后ヘラのあいだとに生まれた娘です。
そのヘーベが結婚するため、代役を探すことになりました。候補に挙がったのは、トロイ国の王子で、全身が金色に輝く美少年のガニメデでした。
ある日ゼウスは、鷲の姿に身を変えて飛んでゆき、羊の番をしていた美少年ガニメデを爪にかけて、空高く舞い上がると、オリンポスの山にさらってしまいました。そのとき、ガニメデが手に持っていたのが、この水瓶だったといわれています。
「みずがめ座」のとなりに並ぶ星座「わし座」は、このゼウスの化身です。鷲の胸には1等星アルタイルが黄色に輝き、まるで、ガニメデが逃げないよう見張っているかに見えます。
エジプト文明を支えたナイル河の洪水の到来は、この「みずがめ座」の位置に太陽がはいるころでした。これも、ガニメデが瓶から水を流し出すことで起こると信じられていました。
「みずがめ座」の美少年ガニメデの左肩にある星サダルスウドには、幸運中の幸運という意味があります。
この星が太陽と一緒に地平線を昇りはじめると、冬が去り再び春が訪れる季節になるからです。 |